● 湿疹

「湿疹」とは“かゆみ”を伴う表皮の炎症を言います。 症状はさまざまです。かゆみとともに、皮膚が赤くなったり、小さくもり上がったり、小さな水ぶくれができたりなど、とても多様性があります。
湿疹の原因は、外部からの刺激である外的要因と、体質などの身体内部から作用する内的要因に分けられますが、多くの場合、外的要因と内的要因が互いに影響し合っているため、原因を一つに特定できないこともあります。


● 手荒れ

「手荒れ」で通常みられる症状は、手のしっとり感がない・カサカサする、指紋が消えた、亀裂(ひび割れ)等があります。
手先をよく使う仕事に従事する人や、水仕事の多い主婦に多く、主婦湿疹とも呼ばれます。特に水温や気温が低くなる冬に悪化する傾向があります。


● 乾燥肌

「乾燥肌」の原因は、季節や生活する環境によるものもありますが、生活習慣や加齢が関わっている場合もあります。
肌を乾燥した状態で放置しておくと、急速に老化が進んでしまいます。しわやしみの原因にもなることもあります。
まずは、日常的に肌を乾燥させないためのケアをすることが大切です。


● 虫刺され

「虫刺され」は、虫に刺される、咬まれる、吸血されるなどによって起こる皮膚炎のことです。
虫刺されの原因となる代表的な生物には、蚊やブユ(ブヨ)、ノミ、ハチ、ムカデ、毛虫などがいます。
虫の種類や体質などにもよりますが、刺された部位が赤く盛り上がり、かゆい、痛い、腫れるなどの症状が現れます。


● かぶれ(接触皮膚炎)

一般に「かぶれ」と呼ばれている接触皮膚炎は、身の回りにあるさまざまな物質が皮膚に触れることで生じる皮膚炎です。その原因が、刺激作用によるものか、アレルギー反応によるものかで、一次刺激性皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に分かれます。

一次刺激性皮膚炎のかぶれは原因となる物質の接触によって、基本的には接触した範囲で湿疹反応が生じます。アレルギーは無関係なので誰でも起こりえます。洗剤・石鹸など刺激の強い物質で起こります。

アレルギー性接触皮膚炎は原因物質に触れると、皮膚の炎症細胞が感作され、次に、またその原因物質に触れることによって、皮膚の炎症細胞が活発に働き湿疹を誘発します。接触部位を超えて湿疹反応が生じます。
原因物質としては、化粧品や香水、ヘアケア用品、指輪や腕時計、ネックレスなどの金属装身具、そのほかうるし、銀杏、サクラソウなどの植物、動物の毛などです。


● にきび(尋常性ざ瘡)

「にきび」は毛穴の中がつまり、皮脂がたまることで細菌が炎症を起こします。
にきびには毛穴の先が閉じた白にきび、毛穴の先が開いた黒にきび、炎症を起こした赤にきびがあります。
炎症がひどいと、皮膚の下に膿がたまった袋ができたり、大きなしこりのあるニキビになったりします。
炎症がひどいニキビの場合は、ニキビがひいても赤みがしばらく残ったり、ニキビ跡が肌に残ってしまったりすることもあります。


● 水虫(真菌感染症)

真菌感染症は真菌(カビ)による皮膚感染症です。代表的なものに白癬菌が原因で起こる感染症「水虫・たむし」、カンジダ属の真菌が原因となる感染症「皮膚カンジダ症」があります。
「水虫」は白癬菌が足指の間や足の裏、足の爪に感染して起こる病気です。かゆみが生じたり、水ぶくれができたりすることがあります。「たむし」は白癬菌が身体や股部に感染した場合に赤い発疹と強いかゆみがが生じます。

白癬菌が付着する経路としましては、すでに白癬菌を持っている人との接触感染のケースが最も多いと思われます。実際、プール、温泉の脱衣所の共用マットや、スリッパ、サンダルなどが感染源となります。 また、ペットのネコや犬についている白癬菌が接触感染するケースや、レスリングや柔道などの格闘技の練習で接触感染するケースも増えており、この場合は体、顔面、頭部への感染が多くみられます。


● 蕁麻疹

「蕁麻疹(じんましん)」は、皮膚の一部が急に赤く盛り上がり、しばらくすると何もなかったように元の肌の状態に戻る病気です。
盛り上がりが出た際には痒みを伴いますが、焼けるような感じを伴うケースもあります。じんましんは、出始めてから数十分から数時間後には消えます。


● 赤ら顔・酒さ

「赤ら顔」「りんごほっぺ」、「ちょっとした刺激ですぐ顔が赤くなる」、「鼻の頭が赤い」などでお悩みの方は多いと思います。皮膚が薄かったり、色白だったり、特に鼻や頬には毛細血管が密集しており血管が浮き出て目立ちます。さらに気温の変化や飲酒、緊張などでより悪化します。


● うおのめ・たこ

「うおのめ・たこ」は、足の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。
たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、痛みはありません。一方で魚の目は肥厚した部分にさらに圧がかかって硬くなり、芯をもっているため、歩く度に痛みが走ります。


● とびひ

「とびひ」の正式名称は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、細菌によって起こる皮膚の感染症です。
かゆみをともなう水ぶくれができます。小さな傷や虫さされを爪でひっかくことで、細菌が侵入してとびひになります。


● いぼ

「いぼ」はヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚に感染して発症します。ウイルスは皮膚の小さな傷から入り込んで、皮膚の角化細胞に感染し発症します。皮膚の免疫が落ちている方がなりやすく、アトピー性皮膚炎や多汗症の方などは注意が必要です。

ウイルス性いぼの治療  液体窒素療法
液体窒素をいぼにあてて凍らせる治療法です。
いぼがだんだん小さくなるか、かさぶた状に黒くなってとれていきます。
いぼの大きさやできている部位により治療回数は異なります。
液体窒素を含ませた綿花をいぼ部分に数回あてます。この治療を一定期間おきに繰り返します。


● 水いぼ

「水いぼ」は軟属腫ウイルスによるウイルス感染症で、お子様の疾患です。放っておくと増えるため、専用のピンセットで一つずつ摘除します(痛みを伴うため、事前に局所麻酔のテープを貼ります)。
水いぼは自然消退するまでに半年から3年かかりますが、自然経過でも改善します。水いぼは取る時に結構痛みがあるので、自然に治るのを待つことも選択肢です。


● しもやけ

「しもやけ」。手足の指が赤紫色になって腫れあがり、ジンジン、ムズムズするような痛痒さがあります。
しもやけの原因は、寒暖差による血行障害です。最低気温が5℃前後になり、一日の気温差が10℃を以上になってきたら要注意です。真冬よりも初冬や春先など、気温差が大きくなる季節に多くみられます。


● 白斑

「白斑」とは、皮膚の色素がなくなることから皮膚の色が白く抜けてしまう病気をさします。色素が脱色するのは、身体の皮膚どこでも生じる可能性があり、髪の毛や口の中にも脱色の症状が出現することもあります。


● 単純性発疹

単純ヘルペスウイルスの感染で起き、顔(口・鼻・眼などの皮膚粘膜の移行部に出易い)にできる1型と外陰部や臀部などの下半身にできる2型の2種類のウイルスがあります。初感染で口内や外陰部に発疹が生じた時は高熱と激痛が伴います。


● 帯状疱疹

「帯状疱疹」とは、ウイルス性の皮膚炎で、赤い発疹と水ぶくれができ、痛みをともなうのが特徴です。
ウイルス性であるので、皮膚と皮膚の接触感染に注意が必要です。
当院では、帯状疱疹に適用のある2種類のワクチンを取り扱っています。ご希望の方は、お電話(097-536-2261)でご予約頂いた上ご来院ください。


● やけど

「やけど」は熱によって皮膚や粘膜が損傷した状態を言います。一般には高熱のものが皮膚に接着した損傷を「やけど」と言いますが、40-60度くらいのそれほど高い温度ではないものでも、比較的長い時間皮膚に当たることで皮膚が損傷することがあります(低温やけど)。特に皮膚が薄い子供や老人の方は十分な注意が必要です。


● 皮膚悪性腫瘍

「皮膚悪性腫瘍」は、「メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍」「メラノーマ(悪性黒色腫)」に分けて考えられます。
メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍は、適切に治療を行うとめったに転移することなく根治するものから、悪性度が高くて進行が早く転移しやすいものまで、様々です。
一方、メラノーマは、非常に悪性度の高い皮膚がんで、診断と取り扱いは、ほかの皮膚がんと異なります。


● 褥瘡

寝ている時や長時間同じ姿勢でいる場合、無意識に寝返りを打ったり、おしりや腰の位置をずらしたりして皮膚の圧迫を回避しています。しかし、寝たきりの人や自分で体の向きや位置を変えられない人は、年齢に関係なく、だれにでも「褥瘡」ができやすい状態になっています。
褥瘡ができやすいのは、肩甲骨・おしり・かかと・肘・腰骨です。体重で皮膚が長時間圧迫され、血流が悪くなることで生じます。


● あせも

子どもは大人に比べて汗腺の密度が高く、皮膚のバリア機能が未発達なので、あせもになりやすいです。かいてしまうと悪化するので、かゆみが強い場合は冷たいタオルなどで患部を冷やします。治療には、外用剤を使用します。予防の薬もございます。



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